TOYOSU会議

各界の若手有識者が新豊洲のまちづくりを自由に語り合う

2020年、パラリンピックと豊洲のまちづくりを考える
第1回TOYOSU会議
Part7

障害者が持つ視点がコミュニティに与える影響

為末:
栗栖さんに伺いたいですが、パラリンピアンの人たちががんばるとみんな応援しようとか、障害者の人たちが表現することを応援しようとかいうことになりがちだと思うんですが、実はパラリンピアンも含めて障害者の方たちが社会にもたらす価値というのは大きいんじゃないかと思うんですね。先ほどちょっとおっしゃってましたが、そういう方たちが表現することによって、逆にはっと気づかされることってありませんか?
栗栖:
先ほどもお話ししましたが、障害があるからこそ発達した能力というのは、きっと商品の開発にだったりとか、街のデザインだったりとかに生かされると思うんです。今、義足が高いという話がありましたけれども、やっぱりそれも本人のバリアというよりも社会側にあるバリアで、その環境が整備されればずいぶんできる人口も増えるし、そうするとそこに新しい産業が生まれるかもしれないということで、そしてそうした方々が動きやすいように街を整備すれば障害を持つ人だけでなくて、高齢者やベビーカーを押しているお母さんたちにも暮らしやすい街になったりするんじゃないか。そういうもう一つの視点みたいなものを与えてくれる、そんな存在じゃないかということを感じます。
為末:
そういうことを気づいていくために必要な仕掛けというものには、どんなものがあると思いますか? 例えばパラトリエンナーレ?
栗栖:
場ですよね。その気づく場を作るということ。そのためには何かを一緒にするのが一番の早道というか。例えば義足の方とお友達になって一緒に旅行をすれば、その一緒に過ごす時間の中で、こういうことをすればこんなこともできるんだというような気づきが生まれるので、一緒に何かをするきっかけだったり場によって大きく変わる気がします。
為末:
すごく面白いなと思う話が、パラリンピックの人たちと話しているときに、自分たちには最適の組み合わせというのがあって、それは車いすを全盲の人が押している状況で、リードは車いすの人がやって、全盲の人が押していく、という組み合わせであれば、自分たちはどこにでも行けるんです、といわれて、とても面白いなと。
栗栖:
そうですね。逆のことを言うと、目の不自由な方と耳の不自由な方の両方に同時に情報を伝えることの難しさみたいなことがあったりする訳です。最近は視覚障害者の方も点字を使わずに音声ガイドが主流になったりということもあったり、そうなってくるとユニバーサルデザインって、突き詰めるとカスタマイズせざるを得ないんじゃないかみたいな話もあります。でもそれに挑戦していくことによって、全く新しいメディアが生まれたりすると、それはまた面白いなと思います。
為末:
全盲の方が100メートル走をしているときに、癖を指摘してくれといわれて、どうしてもガイドの方によっていきがちで斜めになっているので、もう少しまっすぐ向いた方がいいですよ、とお話ししたら、まっすぐってどっちですかと聞かれて、あ、そうかと。
栗栖:
時計の針で表現するんだと教わりました。
為末:
そういう全然違う視点がコミュニティに与える影響ってありますよね。
ページのトップへ戻る
© 2015 SPORT×ART SHINTOYOSU